重陽の節句~菊の節句~
本日は重陽の節句ですね。
古い中国では、縁起が良いとされる奇数のなかでも一番大きい「9」が重なる9月9日は「重陽」と呼ばれ、旧暦では菊の咲く時期であることから「菊の節句」として日本へ伝わりました。菊の花には薬効があるとされ、菊から露(菊水)が滴り落ちた川の水を飲んだ人が長寿になったという中国の伝説にちなんで、菊を漬け込んだ菊酒などを飲んだりしていたようです。
また、平安時代には、夜のうちに菊の花の上に綿をのせ、夜露と香りをしみ込ませた綿で肌を拭いて長寿を祈る、「菊の着綿(きせわた)(※「被綿」とも表記されます)」という行事が宮中で行われていたそうです。この時期になると、お菓子屋さんでは着綿をかたどった主菓子もよく見かけますね。
ほかにも、近年では、桃の節句で仕舞ったお雛様を再び飾って長寿を願う、「後の雛(のちのひな)」というものもあります。3月からちょうど半年で虫干しも兼ねているのだとか。桃の節句では女の子の健やかな成長を願うのに対して、「年を重ねても無病息災で長寿になりますように」と願うので、”大人の女性の雛祭り”といわれる側面もあるようです。
今回社内では、亀屋良長さんの、ぱっと菊の花が開いたような「菊日和」、こぼれ落ちるように咲き乱れる「こぼれ萩」、夏と秋の空が混ざったような「行き合い」をいただいて、社員一同で無病息災をお願いいたしました。
現在の暦では菊の見頃はもう少し先ではありますが、様々な人々の願いが重なってきた節句のなかでも珍しく大人も主役になれるのですから、いつもより楽しんでみても良いのかもしれませんね。
2023.09.09
関連記事
「日々つれづれ」
-
寛容 元気な女性 高慢
相国寺門前町内を自転車で行き来しておりますと、皆様のお宅から顔をのぞかせている様々な紫陽花に出会いま...続きを見る
2023.06.23 日々つれづれ
-
秋深し
旅行支援がスタートして、徐々に?うなぎ上りに?京都にも観光にお見えになる方が増えて参りました。 海外...続きを見る
2022.11.20 日々つれづれ
-
御霊祭り
今年も上御霊神社におみこしが並びました。毎年5月1日から18日に行われる祭礼「御霊祭」は、“京都最古のお...続きを見る
2024.04.28 日々つれづれ
-
紅葉狩り
拝啓初霜の候、皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 あるいは、 十一月も...続きを見る
2018.11.29 日々つれづれ
-
悟りの世界
台風で被害にあわれた方々には心よりお見舞い申し上げます。 一刻も早くつつがない日々が戻りますよう心よ...続きを見る
2022.09.25 日々つれづれ
-
彩度
春の訪れにほっとできるのと時を同じくして、桜が見ごろになるのを毎年嬉しく思います。 小さな薄桃色の花...続きを見る
2022.04.21 日々つれづれ
-
夏越の祓
関東甲信地方は梅雨明けをしたとか!驚きの発表でした。 地域の方に「かみごりょうさん」と親しまれている...続きを見る
2018.06.30 日々つれづれ
-
立春大吉
一月は往ぬるとはよく言ったもので、新年のご挨拶もしないままに小正月が過ぎてしまいました。皆様方にはつ...続きを見る
2019.01.18 日々つれづれ
-
文化財保護法の施行記念日
御無沙汰しております。 依然として蒸し暑いですが、大変な気候だった夏もようやく終わりに向かっているよ...続きを見る
2022.08.29 日々つれづれ
-
秋の色
12月の声を聞くころにやっと冬将軍がやってきた京都です。 暑い夏が長かったせいか、季節のうつろいをゆっ...続きを見る
2023.12.01 日々つれづれ