立春大吉
一月は往ぬる とはよく言ったもので、新年のご挨拶もしないままに小正月が過ぎてしまいました。皆様方にはつつがなく新年をお祝いされたことと存じます。
わたくしは伏見稲荷に詣でましたが、例年よりもずいぶん参拝客が少なく本殿まですいすいとたどり着くことができました。後ろを歩かれていた方も「今年は少ないなぁ」と仰っていました。お話が「そういえば駅前に”キリストの車”なかったなぁ」と続き、思わず「そうそう!」と胸の内で呟きました。参道の脇に毎年「イエスは~」という街頭宣伝(?)をする車が止まっていて、聞くともなく見るともなく通り過ぎていましたが印象には残る一つの風景だったのです。それを見ず知らずの方と共有した気がしてなんだか楽しくなりました。
閑話休題
御霊神社で今年の干支「いのしし」の土鈴を頂きました。「いのっ子」とあるとおり、うり坊がモチーフでとても愛らしい根付に仕上がっています。音色も軽やかで、どこにつけようか思案中です。
御霊神社の絵馬所が修復されたと新聞記事で読んでいながら、訪れるのが延ばし延ばしになっていたのをこの機会に見て参りました。この絵馬所は江戸時代中期、御所から下賜された建物を基に建造されたとか。今回、氏子総代の日本画家「由里本 出」さん、氏子の書家「吉川 蕉仙」さん、「衣笠泰介」さんが絵画や書の絵馬を奉納されました。衣笠さんの「平成御霊絵図」は洛中洛外図にも描かれている最古のお祭り「御霊祭」をテーマに、「神恩感謝」「寛容融和」の願意をこめて制作されたとのこと。極彩色の作品が絵馬堂でひときわ目立っていました。この色使いとお祭りの様子にしばし引き込まれました。
もうすぐ立春。
暦の上では1月1日が新年のスタートですが、二十四節気の立春を1年のスタートと捉えることもできますね。というのも、普段からかなり色々な夢を見る方なのに1月2日に限ってさっぱり夢を覚えていませんでした。
この「なかきよの とおのねふりの みなめざめ なみのりふねの おとのよきかな」(永き世の 遠の眠りの みな目醒め 波乗り船の 音のよきかな)という回文歌を添えた宝船の絵をせっかくいただきましたので、良い初夢を期待して春の訪れを待ち望んでおります。
2019.01.18
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