町かどの藝能
天高く 馬肥ゆる 秋
と形容したくなるようなお天気に恵まれた10月14日に「おさだ塾」さんの野外演劇を楽しませていただきました。
野外演劇と言ってもストーリーのあるお芝居ではなく、役者さんたちが江戸時代の京都の芸商人(げいあきんど)となり、その話芸、技芸で商売をするさまを見せていただくものです。
大きなねずみのいるテーマパークさながら、木戸門をくぐるとそこは、享保の御世の京都です。すこし早くついてしまったので、緋毛氈に腰かけて待たせていただいていたら、「すんまへん。もう少しお待ちやしておくれやす」と。一応、京都に生まれましたが、このような美しい京ことばを身につけることはできておりません…。そうしてご案内いただいた広場には、当時のお店の様子がいくつも再現されています。お面や風車、鳥笛を売っていたり、風呂敷(「ひらづつみ」と呼んでいたそうです。お店のお姉さんになぜそう呼ばれていたのか尋ね忘れてしまいました)や千代紙、毬が鮮やかに並べられていました。中には見世物小屋もあります。河童の小太郎ちゃんがいる様子。「あてもん」と言ってよいのかどうか分かりませんが、くじ引きのお店では、その景品の一つの「絵ごよみ」を見せていただきました。識字率の低かった江戸時代のカレンダーで、絵に描かれているものの呼び名をつなげて言葉にするのです。暦の右の列下から二つ目の升に描かれているのが見えますでしょうか?そうです!10月、神無月です(大工道具の「かんな」とお月さまの「つき」)。
前の舞台では、芸あきんどの皆さんがどのように商いをしていたかが披露されます。そののんびりとした時間の流れに、こちらも江戸時代にタイムスリップしたかのようです。写真の女性が持っているのは「柳楊枝」だそうです。朝一番に商いを始める、いわゆる「歯ブラシ売り」。柳の小枝の先を槌で叩いてブラシ状にしたもののようです。「傷んできたら、おはさでちょん」そしてまた、叩いてブラシに。この時代の暮らしには戻れませんが、そういう丁寧な暮らし方というのを、できるところでは取り戻したいものだと感じました。
この房のようになった枝先で、今の歯ブラシのようにごしごし磨くそうですが、歯の間につまったごみを取りたいときには、その細い一本を爪で引きちぎって楊枝として使ったのだそうです。
爪でちぎって楊枝に
爪で楊枝に
爪楊枝
もうお分かりですね!
「つまようじ」の語源はこんなところからでした。
年に一度の開催です。来年までのお楽しみではありますが、どうぞ私に代わって「ひらづつみ」の謎を聞いてきてくださいませ。
2018.10.16
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